御柱紹介 /

有史以来初の出張建て御柱 9.2.22

 NAOC(長野オリンピック冬季競技大会組織委員会)から「長野冬季オリンピックの開会式へぜひ参加を」と要請があった下諏訪町では、早速各自治体へ出場(演)の打診を計りました。

 それに呼応して、「世界へアピールするビックチャンス」とばかりに飛びついた諏訪衆ですが、御柱本体を「アルミか疑木で」の指定に戸惑いました。
 「樅の大木でなくては御柱ではない!!」と息巻いた諏訪人に恐れをなしたのか、長野冬季オリンピック開会式に御柱は欠かせないとNAOC側が折れたのか、その経緯はわかりません。
 何れにしても誘致作戦に大金を費やしたゲルピンのNAOCでは、無料奉仕をしてもらう以上強く言えないこともあって、長さ12メートル重さ2トンの本物の柱12本が用意されました。

「建て御柱」長野冬季オリンピック

 長野冬季オリンピックの「御柱祭・建て御柱」を見る人の何割(厘)がこの祭りを理解できるのかは予想もつきませんが、とにかく、6市町村の氏子約千人が手弁当で駆けつけました。

長野冬季オリンピック 各区混成の美(奇)声を自認する木遣り衆が甲高い声を世界中に響かせましたが、外国の人々はどのような印象を持ったのでしょうか。
 地元ではポピュラーである御柱の木遣りは婚礼の披露宴でも飛び出すほどですが、(外国を含む)諏訪圏外の人々にとっては、おそらく初めて聞く「人間の声」でしょう。たった10分間でしたが、「聖なる空間を鎮める儀式」に流れた高周波数の音波は、確実に世界の隅々まで振動させました。

 ところが、IOC(International Olympic Committee)“上納金”を用意できなくて放映権を持てなかった国では、通常のニュース番組でも長野冬季オリンピック関連の映像は削除されたと聞きました。思いもよらない各国の事情に、やはり「世界は広く遠い」とショックを受けました。

 特にアップで映された氏子にとっては生涯で一度の思い出となりますから、録画したビデオを親戚中に配ったことは想像に難くありません。