御柱見聞録 /

御柱抽籤式の“談合(不正)

 富士見町机の住民から、落合・本郷・境地区の御柱抽籤総代は、記念にもらった籤(くじ)の紙縒(こより)を「誰にも見せずにお墓まで持って行く」と聞いていました。何のことかわからずにいたのですが…。

御柱抽籤結果の意外な偏(かたよ)

 過去の「御柱の抽籤結果」を見ると、「落合・本郷・境」は、過去20回の御柱祭で8回も最小の「前四」を当てています。それも連続3回と連続4回があり、さらに、本四を含めると何と11回になります。

 その結果からは、人為的な匂いがプンプン漂ってきます。正に、「この地区には、小さな柱が当たるようなシステム(談合)がある」としか思えません。その一方で、昭和13年には「本一」を当てていましたが、以上の“こと”を鑑みると、これは“何かの手違い”だったということがわかります。
 最近では平成4年に「本二」を当てましたが、これも、曳行に苦しんだ“反省”があってか、次回は「本三」に落ち着きました。

ささやかれる御柱抽籤式の不正(談合)

 昭和53年発刊の三輪磐根著『諏訪大社』から、〔抽籤会のナゾ〕の一部を転載しました。

 …ところが、抽籤を前に変なうわさが伝わってきた。某地域の抽籤総代が、今年は五百万円使ったから、必ず本宮一の柱を引き当てるだろうとか、また県境のある地区は遠いのと、人口が少ないことから毎回、最も小さい前宮四の柱を引き当てることになっている
 うわさの真偽を確かめるため、かつて抽籤総代になった人、神社関係者、古老に聞いてみた。…そんな不正はあり得ないとのことだった。
 …抽籤の結果は本一、前四ともにうわさのとおりであった。しかし、これも神慮である。神の名誉にかけて絶体に不正はない。

御柱抽選式 御柱抽籤式は、平成10年頃からテレビカメラが入り、紙縒りや抽籤総代の指先・顔の表情などをアップで放映するようになりました。この状況下では、「印を付ける」などの操作はかなり難しいでしょう。
 不正があったかどうかは別として、それまでは、衆人の目からは離れた幣拝殿の壇上という特殊な場では、その気になれば比較的“楽にできた”ことは想像できます。

現在の談合は可能か…

 御柱抽籤式は、抽籤総代と立ち会いの諏訪大社大総代二名、宮司と権宮司、記録と発表する禰宜の5名だけが確認できます。その中で、現在でも使えそうな手法を考えてみました。

 始めに断っておきますが、ここで言う“談合”は、競争心を煽る「より大きな柱」を獲得する手法ではありません。あくまで御柱をスムーズに曳き建てるためのものです。その大義名分の下(もと)で「地区の事情で、二以上の大きな柱が当たった場合は辞退したい」と持ちかければ、他の地区は歓迎すべきことですから受け入れるでしょう。

という手順です。

 これを実践することになってしまった年の抽籤総代が、当てた柱と紙縒りの内容が違うので(公開せずに)「誰にも見せずにお墓まで持って行く」という話になったのでしょう。当然、それに関わった関係者も「談合の内容は一生他言しない」ということになります。

 ところが、この方法では、籤を引く順番が遅くなると「三・四クラス」の小さな柱が先に決まってしまう場合が出てきます。残った柱がすべて大物で“すり替え”ができなかった年が、昭和13年と平成4年だったということでしょう。

神の意志は「その地区にふさわしい御柱」

 諏訪大社と抽籤総代は(立場上)「不正は絶対ない」と言い切っています。それはそれとして、「その地区にふさわしい御柱」が神の意志ですから、地区の事情による「下位志向」の談合は「神の意志」としてふさわしいということになります。

御柱抽籤式「できれば小さな御柱が」−ある地区の事情−

 以下(↓)のリンクでご覧ください。

MENU〔御柱紹介〕から『自宅に諏訪大社の御柱』