御柱見聞録 /

御柱祭とケーブルTV「LCV」 −熱い報道商戦−

 諏訪には、長野県でもトップの実力を持つケーブルTV「LCV(レイクシティ・ケーブルビジョン)」があります。「9チャンネル」の愛称で諏訪人に親しまれていますが、特に、御柱祭には欠かせない存在です。
 LCVは、放送時間枠にとらわれないきめ細かな対応で人気があります。この会社にとっても御柱は節目の年で、皇太子(現天皇)御成婚や東京オリンピック時にテレビが売れたのと同じで契約数の拡大を目指します。

LCV
LCVのカメラマンと木遣り衆('00.5.3)

 御柱祭の期間中は、「御柱チャンネル」というのがあって終日中継しています。
 足腰が弱った年寄りは自宅で祭りが楽しめるし、人気のある「木落し」や「建て御柱」は生中継で流しますから、かなりの家庭で加入する気になるようです。「御柱だから」という葵紋の印籠にも似た言葉が、普段発言力のない(祭りに興味がなくても東京と同じ番組が見られる)家族の主張に重みを持たせます。

 御柱チャンネルでは各御柱毎に放映時間を割くので、親戚や知人勤務先の仲間や隣近所の顔が映りかなりの人気があります。局もそれが分かっているから積極的にインタビューをします。酒が入って「総御柱エンターティナー」にでき上がっている男達の、視聴者を意識した方言丸出しの田舎パフォーマンスは、テレビを見ているこちらの方が恥ずかしくなるほどです。テレビでの御柱見物は、一緒に酔っぱらって双方で騒ぐのが正しい見方でしょう。

 平成16年は少し様子が違いました。有線テレビがほぼ行き渡ったため、「LCV-NET」というインターネット接続サービスが「あなたは、あと(次回の御柱まで)七年待ちますか」と工事代金無料のキャンペーンを張っていました。
 御柱にかける意気込みも大変なもので、どこから調達したのかNHKかと見誤るほどの中継車がデンと控え、各御柱に専属カメラがつきます。チャンネルも三つ増やし柱毎に中継し、各所にはライブの定点カメラもあります。また、「LCV-NET」のサイトでは「ライブの映像」も楽しめます。そのため、海外へ出張している地元の諏訪人には大好評だったそうです。この景気ですからスポンサーからのCM料も少ないと思われます。どのように工面しているのか心配になるほどの「LCV」の総力戦でした。

 平成22年は、「御柱祭を自宅で見る」ためにテレビを買い換えました。去年からマイテレビの画像が「糸巻き状」になっていたのですが、見慣れればこれはこれで気にならなくなります。しかし、御柱年とあって(今さらデジタルハイビジョンと書くのは控えられる)液晶テレビを購入し、ようやく(まだ2台残っていますが)ブラウン管におさらばできました。こうなると「BSも」ですから、LCVから(独占販売の)「STB」を購入しました。これでアンテナを立てることなく総ての番組が見られることになりました。
 ところが、LCVの「至れり尽くせり」の番組編成に、一度も自宅を出ることなく上社と下社の「山出し」は終わってしまいました。