御柱見聞録 /

目を覆う「建て御柱」 − 華美(過美)に走る −

 エスカレートする「建て御柱」や「木落し」の演出に辟易するのは、私だけでしょうか。なにしろ、クス玉を始め垂れ幕・風船・気球(木落し)・花火・爆竹・煙幕・紙吹雪・餅・現金、あげくは鳩を放つなど列挙するのにこと欠きません。神さぶ境内に原色のゴミが舞い異音が轟き、それに金管音が追い打ちをかけています。

 平成10年の御柱準備説明会は、「建て御柱では、花火・風船・投げ餅類は禁止。柱の上からは紙吹雪・テープのみと申し入れがあった」との話がありました。これは競って柱の下に集まり非常に危険ということで、華美を慎むということではありませんでした。

平成10年の「建て御柱」 さて当日の建て御柱ですが、申し入れ通りに垂れ幕と紙吹雪のみで幾らか原点に近づいたかなと思っていたら、下から布に包まれたモノをロープで吊り上げています。予想通りのビッククラッカーで、異音を放った後、キラキラ光る細いテープは早々に近くの梢に引っかかりました。音も、結婚式場ならいざ知らず、屋外ではどこかヌケていました。

 予算が潤沢な地区では、ビッククラッカーを十数本も使ったと聞きました。このビッククラッカーを他区に先駆けて使ったという氏子の得意そうな談話が新聞に載っていましたが、品位を落とすだけとは考えないのでしょうか。

 平成16年は、「煙幕を自粛して欲しいと、大社側から申し入れがあった」との新聞記事を読みました。「神様を煙に巻かないで」とのユーモアあふれる談話の裏に、「木落しや建て御柱の派手な演出は自粛して欲しい」との思いを読み取ったのは私だけでしょうか。

平成22年の「建て御柱」
平成22年「くす玉」

 知恵を絞った演出に喝采を送る人・否定する人。見回しても顔色からはどちらの立場かは読み取れませんが、今回も“無事”、原色と騒音に包まれて、お祭り(騒ぎ)は終わりました。
 なぜ柱に敬語がつくのか、そのことを再認識し、…と言ってはみても、厳(おごそ)か一辺倒では淋しいし面白くないし、と悩んでしまいます。