御柱見聞録 /

御柱祭と生理現象 −トイレが悩みの種−

 御柱も人間が曳いて運搬すると、トラックの排ガスと同じでトイレ対策が欠かせません。
 曳行道路沿いには何ヶ所かに仮設トイレが設置されていますが、男の大部分は“そこら”で済ませます。そのため、林の中や作業小屋などの物陰・畦下で放出する後ろ姿が多く見られます。これも、御柱祭の風物詩と言えるでしょう。
 直会(打ち上げ)の中で、「耐えきれずに近間で用を足していたら、その前を横切られた」という話に聞き耳を立てました。「見るな、見るな」との切実な警告も、「そんなもん見たくもないよ、と言うわりに熱い視線を感じた」との話には大爆笑でした。さすがに黄害はなかったようですが、水害の方は曳行路の両側にベルト状に広がり、その年の植物の生長は早かったとか…。

 昭和43年〔三月七日 大社大総代会からの通知事項(前宮一之御柱当番地区)〕から抜粋しました。反発を恐れてか、かなり気を遣った表現にしているのがわかります。

六、山出し起点玉川・穴山地区より要望
衛生面のことは、なるべく紳士的にやってほしいとの事。

そうは言っても、紳士など、どこにもいないのが御柱祭です。

仮設トイレ

 仮設トイレを使ってみました。先客が(若い)女性だと、(私は)ついその姿を想像してしまいますが、ごく自然に性別に別れて並ぶようです。しかし、ドアの外で耐えながら待っている人のことを思うと、落ち着きません。また、雨風の寒さで手がかじかんでおり、モノも縮んでいるとあってスムーズに引っ張り出せません。ようやく定位置に向けても、長時間の我慢でキレがわるいという結果になりました。いずれにしても、緊急避難としてどこででも用が足せることで、今でも「男の祭り」と言えそうです。

 里曳き最終日に、本宮の建て御柱を見に行きました。その折りに見たのが、本三と本四の間に設置された仮設トイレです。この日は雨で気温が高めでした。林間ということで風もありません。黄金の匂いこそしませんが、飲酒後に見られる独特のアンモニア臭が停滞しています。自分の“分身”なら我慢もできますが、「蓋ができない他人のもの」とあっては…。この耐え難さも、終わってしまえば「あの時は」とよき思い出となるでしょうが…。

 平成22年。新聞に、24ページもある「御柱祭ガイド」が折り込まれていました。紙面の半分は広告ですが、日程や駐車場案内と並んで「トイレ案内」がありました。山出しでは、上社が19ヶ所(大74基・小25基)・下社が29ヶ所(大109基・小47基)で、ほとんどが水洗(簡易水洗含む)とあります。地図もありますから、女性にとっては必携でしょう。