御柱見聞録 /

早朝祈願体験記

 早い地区では昨年末、遅いところでも元旦(早々)から御柱年恒例の「早朝祈願」が始まりました。祈願の内容は2月15日に行われる「御柱抽籤式」で、最大の「本宮一之御柱が当たりますように」というものです。地区の抽籤総代を始めとして、大総代と役員、さらに実質的に曳行をになう通称「若者会」の面々が、日参または交代で諏訪大社本宮まで神頼みに通います。

早朝祈願 平成16年1月12日、今日は休日です。体験しなければ記事(話)にならないと、この早朝祈願に参加してみました。公民館に5時半集合。開始予定の6時15分に向け、車を列ねて本宮に向かいました。
 すでに祈願を行っている他区の背中を、拝所越しに見ながら順番を待ちます。寒さしのぎに足踏みをするのであちらこちらで体が揺れます。言葉を交わしても小声なので、静かに揺れる人の柱は、海藻のように(御柱仲間という)地中の根で繋がった一個体の生物のように見えました。

 参加者の「早朝祈願」に対する胸の内は分かりません。厳寒時の起床とその後の出勤の辛さはもちろんあるでしょう。喜んで参加する人もいないでしょう。しかし、そのような言葉は聞かれず、眠そうな目はあっても爽やかな表情をしていました。これが御柱の里で生まれ育った人達と(自分と)の差でしょうか。
 祈願は神職の祝詞奏上に続き、片幣殿に上がった役員の玉串奉奠(ほうてん)が主になります。神職が参加者の頭上で金幣を振り、一同が「二礼二拍手一礼」して実質10分の祈願は終わりました。昨日までは「何もそこまで」でした。しかし「一日早朝祈願」を体験してみると、その思いは変わりませんが、心身共に引き締まったような気がしました。
 すっかり白んだ空を眺めながら車に乗り込み、やがて効いてきた暖房に感謝しました。この「早朝祈願」は、地区によっては2月15日まで続きます。

早朝祈願 2月14日、最後の早朝祈願の日がきました。御柱関係者に総動員がかかり、斉庭が一杯になりました。「大願成就」二本と「村旗・区旗」も勢ぞろいです。片拝殿には、大総代を始め原村・茅野市泉野の主な関係者が控えます。祈願を始めてから一ヶ月経ったので、同じ6時半ですが明るくなっていました。
 明日の結果がどう出ようとも、「早朝祈願」は今日で終わります。そのことが嬉しいようで、どの顔を見てもホッとしたような笑みが見られました。

平成22年早朝祈願

早朝祈願'16 写真は、抽籤式前日に、祈願の順番を待つ「原村・泉野」地区の皆さんです。
 すでに、御柱年の歳時記になってしまった早朝祈願ですが、いったい、どこの誰が“こんなこと”を始めたのでしょうか。恨んでいる人も多いと思いますが…。