諏訪大社と諏訪神社トップ / 各地の神社メニュー /

沙田神社奥社 松本市波田鷺沢

 案内板『信州三之宮式内 沙田神社略記』にある[由緒]の一部です。

…尚波田(はた)村地籍鷺沢嶽に往昔より鎮座せる奥社その付近一丁七段歩の山林は当神社の御旧跡地として、毎年例祭には該山より萱を刈取仮殿を造り…

 皇學館『式内社調査報告』〔沙田神社〕から、【由緒】の一部を転載しました。

 なお口碑によれば、当社より距離十一・二五キロメートル西に当る鷺澤嶽に往昔鎮座ありしを、後当地に遷すと云う(その山に斎殿石(さいでんせき)と称する大岩があり、其の附近一町七反歩の山林は当社旧跡地となっている)。

奥社があるという鷺沢へ 21.10.25

沙田神社「奥社石祠建設記念」 沙田神社境内東の隅に、昭和46年とある「奥社石祠建設記念」碑がありました。これで、今でも「鷺沢嶽に沙田神社の奥社があり、石の祠が建てられている」ことがわかりました。最近「無職」になったので時間に余裕ができ“とことん”までのめり込むことが多くなっています。事前の調べで「鷺沢」を特定していたので、「やはり奥社に行かなければ」と波田町に向かいました。

 「鷺沢」と書かれた小さな標識を見つけました。これは幸先がいいと、林道から沢筋の道を登ります。しかし、20分登っても「ただの山道」です。大汗をかくことは厭いませんが、「鷺沢」だけが手掛かりなのでまったくの徒労ということもあり得ます。その“恐れ”が意識の中に居座ると、急速に足が重くなりました。このまま帰るのもシャクなので鷺沢周辺にある小道を適当に選んで“周遊”しましたが、その果ては遠く離れた国道に降り立つという結果になりました。

 戻る途中で鷺沢に一番近い集落の何軒かに声を掛けていましたが、お年寄りでも「聞いたことはあるが、知らない」という答しか得られません。やはり、松本市の沙田神社に御柱を提供する波田町でも、自治体が違えば縁遠くなってしまうのでしょうか。山道で通せんぼしていた木の太枝に額をしっかりぶつけ結構な出血に意気消沈していましたから、今日はこれで引き揚げることにしました。

 帰りに寄った波田町図書館で、『波田町誌』の[波田町の石造物編]に「沙田神社御旧蹟碑56×42cm・石祠54×23cm」とある写真を見つけました。鎮座地は「引き返した鷺沢」に間違いなかったことがわかりましたが、その場所が山頂なのか中腹なのか、または梓川沿いにある砕石プラントの敷地内にあるのかは特定できませんでした。

再挑戦「沙田神社の奥社へ」 25.3.30

 明後日は4月というのに気温が低く、車載の外気温度計は、松本市街から波田町まで6℃を表示し続けていました。左右に迫ってきた島々(しましま)の里山は、頂部だけですが雪で白くなっていました。
 4年目の再訪とあって、鷺沢には真新しい砂防堰堤が完成していました。余りの変わりように初っぱなから登り口を間違えて引き返すという洗礼を受けましたが、まだ枯れ草だけという山道を踏みしめ、一路(ではありませんでしたが)奥社を目指しました。最近の暖かさで雪は消えているだろうと踏んでいたのですが、山の斜面上部に見えていた残雪が目の前に現れるようになりました。すでに登山道なのかわからなくなっている雪で覆われた谷の底を、白い息を吐きながら、凍結によるスリップを避けて石や切株の上を選んで足を運びます。

 「こんなはずじゃなかった」と何回目かの呼吸を整えるために立ち止まった後、「さー出発」とさらに続く谷筋を仰ぐと、…鳥居が見えました。近づいて「式内沙田神社・奥宮」と確認できました。一時間強の行程でした。

沙田神社奥社

 景観がわかるように、やや離れた場所に立って奥社の正面を撮ってみました。谷の斜度がわかるでしょうか。周囲には何もありませんから、山の斜面に忽然と現れたという出会いでした。
沙田神社奥社の祠 右側の石に「式内 沙田神社御旧跡」と刻んであります。本殿は昭和48年製の高さ54cmの石祠とわかっていますから、本殿の扉と大棟に神紋「三階菱」があるのを確認しただけで、身舎(もや)の詳細を観察するのは止めました。
 体力的には、鷺沢を詰めた尾根上(鷺沢嶽)に何があるのか確認できる余裕がありますが、沢筋がすべて雪で覆われているので断念しました。

沙田神社と奥社

沙田神社奥社 現地の状況からは、なぜここに奥社を造営したのか合理的に理解できません。涸れ沢ですから水もなく、「斎殿石」と思える背後の岩も高さは2mしかありません。道中で見た中では一番大きな石であることは確かですが、沙田神社の由緒にある「大化の改新」以前の時代に、こんな山奥に祭祀場を設けたこと自体が不思議です。逆に言えば「“そう”だから、13.3Kmも離れた松本市島立(しまだち)に移した」となりますが…。
 因みに、諏訪大社下社秋宮−旧御射山社が8.4Km・諏訪大社上社本宮−御射山社が11Km離れていますから、沙田神社が諏訪社と同体なら山宮(御射山)として設定できます(が)。

Google Mapで計測(いずれも直線距離)