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榛原天白社と獅子頭 伊那市東春近 榛原 1.12.7

 これまでに、三峰(みぶ)川を挟んだ天伯社を紹介してきました。今回は、左岸では天竜川に近い旧東春近(ひがしはるちか)村の天白社です。

 東春近村誌編纂委員会『東春近村誌』 〔宗教〕[神社]から、必要部分だけを抜粋したものです。

天白社(村社)
祭神 天之御中主命、軻遇突智(かぐつち)
本殿 創立不詳、一間社流造

縁起および口碑
 榛原(はいばら)は往古、織井・藤原・伊藤・兼子の四家が京都方面より移住してきたのが元であり、その地で信仰の愛宕天白社を分祀して産神としたことに始まる。
 元禄三年殿島村検地帳には「社地三畝二十歩、愛宕天白、神主三太夫宮建有之」とある。
 榛原は従前上殿島に所属していたが、安政二年上殿島より分村したので天白社も共に独立して榛原村の産土神になった。

榛原天白社参拝 1.10.23 

 神社前の狭いスペースに車をすべり込ませると、左方から川音が伝わってきます。その音源を求めると、境内左側の境を兼ねて連なっている林のはるか下でした。この天白社が三峰川の河岸段丘上の縁にあることが、耳からも実感できました。

榛原天白社

榛原天白社 社殿の背後が三峰川の上流という、天白社の一つの立地を頭に入れて鳥居をくぐります。
 しかし、拝殿・本殿とも密閉されているので、その紹介文が書けません。「拝殿の瓦は贅沢なもので、天・白・社の文字瓦が掲げられてる」とだけになりました。

獅子頭

 その代わりとなったのが、社殿の背後に横一列に並んだ石造物群です。神号碑と供養塔が混在した神仏“混合または集合”を順に眺める中で、この「人面石」を見つけました。

獅子頭 「口は泥で塞がっても、鼻から息ができそう」「この跳ねっ返りは、台風絡みの大雨によるもの」などと眺める中で、「これは獅子頭」と気が付きました。
 この紹介で、貧内容になりそうな参拝記に華を添えることができそうです。心置きなく、天白社を後にしました。

改めて、獅子頭

 参拝から八日後に伊那市図書館を訪れました。『伊那神社誌』があるからです。東春近の天白社に目を通すと、「狛犬」として「右30×37×55丸石・左25×50×55野石(単位cm)」が書いてあります。
 大きさから、これが獅子頭と直感したのですが、なぜ狛犬なのかは別として、「左」が気になります。その時は一頭(かしら)しか見なかったことになりますから、帰りの足で天白社に向かいました。

獅子頭

獅子頭 右端の日陰の存在になっているのが、「野石(=自然石)」とあって見逃していた狛犬頭部でした。見詰めると、アゴが浮いた形状(設置)から、微妙ですが口を開けているようにも見えます。
 獅子頭と思った「丸石」を改めて見直すと、首状のものが残っていることがわかります。これなら、「これは狛犬の頭部(残欠)」と言われれば「そうなのか」と納得できます。ただし、狛犬が獅子頭になった経緯はわかりません。