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三峰川と御社宮司社 伊那市美篶・富県 1.11.2

 衛星写真を見て、御社宮司社の立地が河岸段丘崖に関係するのではないかと考えました。そこで、天伯社への興味もあって、三峰川(みぶがわ)を挟む旧美篶(みすず)村と旧富県(とみがた)村の範囲で現地踏査をすることにしました。

下川手御社宮司社 美篶下川手 1.10.23

■ 長野県神社庁では「御社宮司社」の表記です。
下川手御社宮司社
御社宮司社space前宮

 御社宮司社が確認できます。しかし、駐車場が見つからないまま斜めの急坂を上りきると、予想もしなかった台地の上に出てしまいました。再び国道に戻り、改めて徒歩で向かうと、この幹線道路に沿う山裾が河岸段丘崖であることに初めて気が付きました。

下川手御社宮司社 横向きの社殿の前に回り込んで扁額に「御社宮司」を読むと、御社宮司社が河岸段丘崖のラインに沿った東向きであることがわかります。
 そうなると、逆向きとなる鳥居は車道の開通に合わせて場所と向きを変えたとしても、御社宮司社は旧川手村を横目で見る方向で鎮座していることになります。

下川手御社宮司社 屋根は傷んでいますが、「享保期頃に、加藤吉左衛門一門によって建立されたものと考えられる」とある本殿です。
 長野県『長野県町村誌』では、祭神を「国造大己貴命なり」と書いていました。


 美篶村誌編纂委員会『みすゞ』にある〔御社宮司社〕から抜粋しました。

祭典および行事

○昔は旧暦7月22日。現在は10月2日。

○奉納行事として、往時は前宮において中央に大燈籠をつけ、その周囲に若連男女集まり盆踊りを盛大に行い月の出るまで御立待をした。

 「盆踊り」とあるので、御社宮司社の祭事とは関係ないようです。「前宮」は、その詳細に「板張り・四方吹抜」とあるので、私が神楽殿と見た社殿とわかりました。

中県御社宮司社 美篶中県 1.10.23

■ 長野県神社庁では「御社宮司社」の表記です。旧川手村から分村した上川手の御社宮司社と考えていましたが、中県公民館の隣なので、中県御社宮司社としました。

上川手天白社 カーナビが案内役なので、社殿の背後にある車道が到着地となりました。
 来てみれば、公民館と墓地に挟まれた御社宮司社でした。その社殿の横に立つと、境内を挟んだ正面に鳥居があります。ここからは見えませんが、段丘崖を登って鳥居をくぐるのが昔からの参道とわかります。

上川手御社宮司社

 「まずは鳥居をくぐって」と近づけば、その先は下りの石段です。社殿がファインダーに収まる位置まで降りましたが、鳥居は柱の極一部が写るだけとなりました。

上川手天白社 改めてコンパクトな覆屋内を覗き込むと、珍しく、屋根に置千木がある本殿がありました。
 この御社宮司社は、段丘上の縁から上川手の集落を見守っているように見えます。それを「その先の三峰川を見下ろしている」と発展させれば、先ほど参拝した下川手の御社宮司社は「天竜川を背にしている」と説明できます。ただし、各集落の位置関係がわかっていない私ですから、見当違いの説明になっている可能性があります。

桜井御社宮司社 富県桜井 1.7.21

■ 長野県神社庁では「社宮司社」の表記です。
桜井御社宮司社

桜井御社宮司社 桜井の天伯社を参拝した際に、たまたまグーグルマップに表示したので、ついでにといった感じで参拝しました。その前に立てば巻(まき)の神社といった規模でしたから、写真を撮っただけで引き返しました。
 その後、美篶の御社宮司社を調べる中で、長野県神社庁の包括神社と知りました。また、写真を見返して、やや離れた背後の木々が段丘の縁(へり)とわかりました。ただし、集落の中を通る道に接していますから、社殿の向きに三峰川との関連性はないとしました。
 伊那市教育委員会『伊那市神社誌』の〔その他の神社〕から転載しました。

祭神 猿田彦命
創立と沿革等 貞享三年(1686)の勧請と伝えられ、「おみさんじ」と呼ばれ崇敬されてきた。御社宮司は大昔諏訪地方に住んで狩猟の生活をしていた守矢族という先住民の信じた神様だといわれる。その後稲作の技術を持って入ってきた諏訪明神の信仰とともに、現在も人々の心に生き続けている。
『富県の暮らしと行事』による。

段丘崖と御社宮司社

 以上に挙げた御社宮司社は、三峰川の河岸段丘崖に沿って鎮座しています。しかし、目論見と違い、段丘崖と神社の立地に関連性があることを見つけられないまま幕を引くことになりました。
 それでもこのグーグルマイマップに鎮座地を表示させたのは、衛星写真だと段丘崖が緑の帯となって、文字以上に説明できるからです。諏訪にはこれほど顕著に見られるものはありませんから、私には引き続き興味ある地形として残りました。

■ 以下の陰影起伏は左斜め上(北西)から光を当てたものなので、段差は、上部は影となり下部は白く表示されます。
天白社・御社宮司社
『国土地理院(電子国土Web)』 

 凝り性の私とあって、国土地理院の地形図を陰影起伏化したものも用意してしまいました。
 中央にある、私はヒゲの剃り残しと表現した謎の構造物は、後の洪水被害のニュースで(何とも雅な)「霞堤(かすみてい)」そのものであることに気が付きました。確認すると、この辺り(三峰川右岸)には七ヶ所もありました。