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神宮寺温泉源湯の湯神 諏訪市神宮寺 28.6.15

 『諏訪藩主手元絵図』の〔大熊村〕にある「大天白」を現地踏査をする中で、湯神を見つけました。地元の人には見馴れたものの一つに過ぎませんが、私には新鮮なものとして映りました。


 御柱もしっかり立っている「湯神」と並んだ建物は、初めは「地専(地元専用)浴場」と思いました。しかし、この大きさでは二、三人が精一杯です。不審の目で回り込むと、源湯をポンプアップする「神宮寺第1源湯」の施設とわかりました。ところが、その前に、ベンチもある公園のようなものがあります。

 案内板を読むと、「天与の恵み 名湯明神湯」として「諏訪明神に綿の湯伝説あり、諏訪平唯一の飲泉できる神宮寺温泉源湯は、健康・長寿の温泉です」とあります。
 備え付けの木の柄杓ですが、温泉の成分が原因なのか、かなり痛んで変形しています。しかし、「諏訪で唯一」とあれば試飲しないわけにはいきません。恐る恐る口に含むと、まさに“温泉の味”です。ぬるいのは、それなりに調節しているのでしょう。

 たまたま管理人の巡回があったので、機械室の内部を撮影できました。この極一部が屋外の飲用として使われると思いましたが、流量と温度調節が難しいので、自噴しているのを引いているのかもしれません。

 これを読んで飲みに行く人は皆無と思われますが、参考として幾つかを挙げてみました。

泉質 ナトリウム・塩化物泉(アルカリ性低張性高温泉)
温度 摂氏60度(気温8度)
適応症 慢性消化器病、慢性便秘

飲用上の注意 この温泉は、飲泉口から採取した直後の温泉水のみ飲用が許可されている。容器に採取して持ち帰った温泉水の飲用は、衛生状態が保証できない。

 今回の踏査で目についた祠や石造物を紹介することにしました。

蛙石(かわずいし)

 これは、「諏訪七石の一つではないか」とも紹介されている大熊(おぐま)の「蛙石」です。
 和歌を刻んだ石碑や案内板がありますが、私は端から「七石ではない」と除外していたので、今日初めて自分の目で見たことになりました。

供養塔と石の祠

 石塔には、「供養」の文字が最下部に確認できます。しかし、それ以外は読めません(この日は結構な暑さだったので、読み取る努力を怠りました)。

 右の石祠も今年のものらしい白い幣帛が覗けるので、現在も祀られているのがわかります。ただし、屋根が自然石で、身舎も自然石を刳り抜いたものなので、「何でしょう」となりました。
 背後は権現沢の堤防で、右上にチラッと写っているのが、中央自動車道の橋脚です。原初からこの場所に建っていたとすれば、旧道が権現沢を渡る橋の袂にあったことになります。

増澤氏祝神

 『諏訪藩主手元絵図』に書かれた「七御社宮神」とは位置的には合っていますが、決めつけることはできません。比較的新しい祠で、身舎の裏には「増澤氏」とありました。ここも、増澤姓の祝神としか紹介できません。

祝神

 この祠は、周囲に墓地が点在する中、車道の行き詰まりにありました。「七御社宮神」の候補の一つにはなりますが、写真の紹介のみとしました。


湯神

 左上は何回もくぐった「本宮五ノ鳥居」ですが、今日初めてこの場所に湯神があることい気がつきました。吐き出し口の背後にある小さな石碑ですから、今まで目に留まらなかったのも無理はありません。
 モーターのうなり音が聞こえるので、小さいながらもポンプアップ小屋となります。誠に贅沢な“源泉掛け流し”ですが、かなりぬるいで入浴としての使い道がないのでしょう。

 ここで、菅江真澄の紀行文『すわの海』を思い出しました。間もなく本宮という場所で「道しばらく来れば出湯ありて、人々汲て冷ややかなるなどと言って眼洗う」と書いています。コースは写真にある旧道です。「湯とあるのに冷たい」などと言い合っている様子から、この場所に間違いないとしました。