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大年社・大歳大明神 茅野市仲町 16.10.10

 本宮摂末社遙拝所の祭神名を右端から読んでいくと、七番目に、見慣れない「大歳大明神」を見つけました。「大歳社(以降大年社)」は重要な摂末社「上十三所」の一つですが、余りにも多い祭神名の羅列に後半はいつも読み飛ばしていました。そのため、「大歳大明神」と「大年社」は頭に入っていませんでした。

 ネットで「茅野駅から徒歩2分」と調べがついたので、「ああ、あれか」と記憶にあった神社に向かいました。ところが、同じ「大」に点が一つ加わった“僅差”ですが、それ以外は大違いという「犬射原社」でした。「大年社を尋ねて2分圏内」と駅の東側をウロウロしましたが、汗をかいただけでした。
 「惣持院」の前に出ると、待ち合わせでしょうか、ウロウロする前にも立っていた住職の姿を見つけました。一方的ですが、再会も何かの縁、と仏様にすがることにしました。「お寺さんに神社の在処を訊くのも」と遠慮がちに問うと、その言い回しが面白かったらしく、笑いながら教えてくれました。

大年社

大年社覆屋 同じ「2分」でも駅の反対側と分かり、JRのガードをくぐって駅西口への道をとります。教えられた大樹の梢が屋根越しに見えているので、それに向かう小路を選ぶと大歳社の境内でした。茅野市民でも「大年社は…」と即答できないと思われますが、(私もその時に知った)割烹「森乃家」の前、というとピンとくるでしょうか。

大年社 祭神が「大歳大明神」とあるこの神社には御柱がありません。「その代わり御柱年に鳥居を建てる」と案内版にありました。氏子が造った鳥居が、その素朴な造りが、神社の御柱を見慣れている私には新鮮に映りました。
 茅野市教育委員会の案内板には、抜粋ですが「4月27日の御座石神社の矢ヶ崎祭り(通称どぶろく祭り)には、饗膳の用意が整うと野火(狼煙)をあげ、その煙を見て大年宮に詣でるとされ、『諏方大明神画詞』の中にも詳しく述べられている」とあります。御座石神社の「どぶろく祭り」は知っていましたが、この「大年社」が一枚噛んでいるとは知りませんでした。

廿七日、矢崎(やがさき)祭、饗膳已下(以下)ととの(調)うりて後、野火(※狼煙)をあぐ、煙を見て各大年宮(※大年神社)に詣ず、(後略)
『諏方大明神画詞』「57」

大年社祭

大年社本殿 左写真は、平成20年度の「大年社祭」で、本殿前に置かれた神饌です。御座石神社から送られた「ドブロク・鹿肉・ウド」が供えられていました。下の左右にある注連縄が掛けられた箱は、その神饌を入れてきた櫃(ひつ)です。
 前述の『諏方大明神画詞』には「野火をあぐ」とありますが、宮坂光昭著『諏訪大社の御柱と年中行事』には、「準備が出来ると、ワラ束に火をつけるが、古来の狼煙(のろし)火の名残である」と現在の様子が書いてあります。