三日間に渡る御射山祭の最終日は「二の祭(にのまつり)」と呼ばれます。「諏訪大社祭事表」では10時とあるので、急ぐことなく駐車場に着くことができました。
参道の途中で、国常立命社から下って来た大総代を見かけました。まだ15分の余裕があるのを確認したので、ただ待つよりと、私も国常立命社の拝礼を済ませることにしました。
ところが、下る途中で太鼓の音が聞こえてきました。下社の神事は定時と決め込んでいたので焦りました。下りはともかく、最後は御射山社への急な登り坂が控えています。予定外の汗をかきながら社殿が見える場所に到達すると、“太鼓の練習”ではなく、神事はすでに始まっていました。上社の二の祭と同じで、「(山中では)参列者が揃えば、その時間で神事が始まる」ことを学習しました。
この場の空気を乱したくなかったので、いつもより離れた場所に立ちました。
同日同時刻に行われる上社の二の祭は権宮司が担当していました。そのため、下社は宮司が参拝すると予想していましたが、その通りとなりました。参列者は諏訪大社下社の大総代だけでした。
写真に写っている人以外には誰もいないので、離れた場所から写してみました。
すでにテントや提灯が撤収されていますから、山宮である御射山らしい神事を撮ることができました。
同じような写真ですが、こちらは神事終了後の直会です。参列者に土器(かわらけ)が配られ、神前の瓶子から御神酒が注がれました。
宮司から参列者にねぎらいの言葉が掛けられ、全員の献杯で今年の御射山祭はすべて終了しました。
ススキの飾りが取り払われた“穂屋”を右に入れたので、樹間から太陽が差し込む(逆光気味の)撮影場所となりました。そのため、全体に白かぶりし、上部の斜光もフレアを起こして虹色になっていました。それもフィナーレにふさわしいのではないかと、あえて載せてみました。
県立歴史館蔵『国幣中社諏訪神社下社絵図』を見つけました。左はその一部ですが、参道の両側に「穂屋(カリヤ)」が連なっているのがわかります。また、右上にある「大元尊社」の場所から、(絵図なので)距離はともかく、この絵図がかなり正確であることがわかります。