諏訪大社と諏訪神社トップ / 特殊神事メニュー /

荒れるお舟祭り 20.8.1

 去年は、翌朝の新聞で知ったのですが「部外者の暴力行為で肋骨を折った重傷者が出た」ほどの大変なお舟祭りでした。

 今年は、遷座の行列は見送ってお舟の横に陣取りました。「清祓」などの神事が終わると、下諏訪町長や御頭郷の岡谷市長、お舟祭り実行委員長などの挨拶が次々と流れてきます。最後は「詳細かつ具体的」な注意事項が延々と続きました。その中に「タスキ着用者以外はお舟に乗ってはならない」という協定事項があります。しかし、暴力沙汰まで発展する「協定破り」は、伝統や規則に縛られない「部外者」ですから…。
 “正規”の氏子は統一装束を着けています。そのため、一目で分かる部外者の動きに、氏子や警察官の視線がチラチラと向くのがわかります。その時、一人の若者がするすると近づき乗り込んでしまいました。私は気が付きませんでしたが、先に乗り込んでいた(衣装は正規ですから)「タスキなしの部内者」が、その若者を呼び寄せたようです。地元では、(世間で言う)ヤクザとして有名らしく、「あれは親子」と仲間内で交わす声が聞こえてきます。私は、担当者が部外者を乗せないようにガードしていると思っていましたから、この展開は意外でした。

 誰もが暴力沙汰に巻き込まれたくないのでしょう。その後も「降りろ」と散発的に声が挙がりますが、大きな動きはありません。神事の一環なので「絶対に怪我人を出してはならない」通達が徹底しているのでしょう。腕章を付けた責任者が説得しますが応じません。これ以上事態が進展しないと“観念”した彼は、何と、自分のタスキを外してその若者に渡してしまいました。ルールだけは守られた形になりますが、…これはないでしょう。すでにお舟の前部では、親が子を包み込むように陣固めをしています。見た目では出発の体勢は万全で、いつ動き出してもおかしくありません。しかし、抗議の声が挙がり始める中で出発すれば、実行委員会の面目は丸潰れになります。
 上がった白旗に「このまま行ってしまうのか…」という諦めにも似た流れに異議が出ました。赤旗に変わると、それまでにも出ていた「全員降りろ」となりました。親子もこれには従わざるを得なく“白舟”の状態に戻りました。
 すでに出発時間は大幅に遅れ、何事かと様子を見に引き返してくる人もいます。怒号にも聞こえるヤジも飛び交っています。「部内者による協定破り」に、始めは騒ぎを期待してビデオの電源を入れていた私ですが、何か虚しくなり一度もカメラを向けることができませんでした。

お舟祭り「空のお舟」
お舟の脇を進む遷座の神輿

 最後は、報道されたとおり「町長と市長二人」だけが乗ってようやく動き出しました。3時でした。
 余裕があるときにトイレを、と3人待ちましたが身軽にできました。戻ると、空舟の勢いではとっくに大門の大鳥居までと予想していましたが、早くも下馬橋で立ち往生しているのが見えました。去年橋に接触して壊した経緯がありますから、スピードを落としたタイミングに合わせて飛び乗りがあったのかも知れません。報道では、やはり部外者の強引な乗り込みがあったとありました。

お舟祭りに軽装甲車の登場 最後尾は、どこから借りてきたのかという簡易装甲車です。警察官が署長の名の下で「違法な行為があったときは排除します」と警告を発しています。証拠のビデオも回しています。こんなお祭りがあってよいものでしょうか。先頭の曳き子がすっかり萎れて気勢が上がらないのは、暑さのせいではなく部外者のお祭り騒ぎが原因でしょうか。
 出発は大幅に遅れましたが、空舟とあって遅れは完全に取り戻したようです。ところが、今は時間調整をしていると思えるほど動きが見られません。

お舟祭り「空舟」 左の写真は、魁(さきがけ)町の辺りで撮ったものです。昔からの通りですから、本来は一番の見せ場になるはずです。しかし、誰も乗っていません。乗っ取りを阻止できず、全員下船という手段に出たようです。
 撮影の場所取りがあるので、先回りして秋宮境内へ向かいました。定番の「鳥居をくぐるお舟」が見える場所で待機しましたが、その気配は全くありません。ようやく先頭の旗だけは鳥居の前に揃いましたが、その後が続きません。お舟は、十年に一度回ってくる御頭郷の氏子しか曳くことができません。祭りを精一杯楽しもうとする人々と写真を撮るだけの人とは、祭りに対する意識が全く違います。

 散々待って「もう来年は来ないぞ」と決めた頃、ようやく旗の群れに動きが見られました。多分、八幡坂で「乗せろ・乗せない」の小競り合いがあったのでしょう。
 木遣りが鳴きラッパが響く毎にお舟が徐々に近づいてきます。ビデオでわかるように、鳥居をくぐる時には、「時の人」が中央で派手なアクションを見せていました。タスキを着けていますから、何らかの交渉(妥協)が成立していたのでしょう。

 境内は最後の見せ場ですから、20人ぐらい乗っています。去年と同様で、わかってはいますが「いい加減にしてくれ」と思うほど動きません。最後の周回を拝殿前で撮る、と決め込んで傍らの石に座り込みました。
 待つ身には辛い長い休憩が終わりました。ところが、曳き子が完全に揃わないうちに木遣りが鳴き、一気に動き出しました。最終ラップ2/3を残した位置ですが、その速さの原因は、白丁4人を残して軽量化した空舟にありました。この後は止まることなく神楽殿正面に曳き付けられ、軽装甲車が後方待機するという物騒なお舟の曳行は終わりました。担当役員にとっては「散々だったお舟祭り」も、怪我人が出なかった(傷害事件が起こらなかった)ことで大安堵と言ったところでしょうか。

「暴力団員排除を決議 お舟祭り 県内の祭りで初 26.7.29

 標題は、地元紙『長野日報』の見出しです。「諏訪署・岡谷署・お舟祭り実行委員会・諏訪大社御頭郷湊川岸お舟祭典委員会・諏訪大社・下諏訪町・岡谷市・県暴力追放県民センターの8関係機関・団体で」とありました。「お手並み拝見」と高みの見物を決め込みたいのですが、この暑さに出掛けるのも…。

「昨年に続き暴力排除決議 実行委と祭典委27.6.25

 『長野日報』から、見出しと記事を転載しました。

(前略)昨年に続いての決議で、お舟祭りを安全、安心な祭りにするため、「暴力団員及び暴力行為をするおそれのある者の参加を認めない」とし、柴舟には「御頭郷であらかじめ指定した者(20名)以外は乗舟を認めない」としている。
 神林諏訪署長は決議後、「初年の昨年はトラブルもなく、祭りが成功のうちに終わった。今年も万全の態勢で臨みたい」と述べた。

 御頭郷の中に“関係者”が居住する地区の有る無しによって、状況は変わるのでしょう。また、関連記事の〔打ち合わせ会〕には、「ドローン自粛を」がありました。

「沿道熱く順風柴舟 秋宮へ」 27.8.2

 『長野日報』から、見出しと、関係する部分を抜粋しました。

 今回の祭りについては諏訪、岡谷両署や祭りの実行委員会、御頭郷の祭典委員会などが、祭りから暴力行為などで進行を妨害する人物の排除を決議して臨み、トラブルもなく、順調に曳行を終えた。