諏訪大社下社の御射山祭は、HP『信濃國一之宮諏訪大社』の「諏訪大社祭事表」では、26日「御射山社夕祭」・27日「御射山社祭・八千矛社祭・児宮社祭・國常立命社祭」・28日「御射山社二の祭」と表記しています。この中の夕祭(ゆうさい)と二の祭(にのまつり)が未参観だったので、平成25年は両祭を見学して、三日間に渡る下社御射山祭の幕を引くことにしました。
御射山社参道の入口にある鳥居です。山宮に相応しい木の柱に、初日とあってまだみずみずしいススキが結わえられており、「これぞ御射山祭」という雰囲気を醸し出していました。
久しぶりとなる雨日が続き、野山の緑も潤いを取り戻したようです。その恩恵か、午後3時という時間帯ですが、木陰となる参道には冷涼感が残っていました。それでも、まだ夏であることは変わりません。汗をかかない様にゆっくり登りました。
山中とあって思いの外暗いので、提灯の明かりが映えています。電源は自家発電機ですが、下方に設置されているので騒音はあまり気になりません。
夕祭は定刻の午後4時に始まりました。御射山社の前に、神職を左側に、諏訪大社下社の大総代や古生会(こしょうかい)が参列します。
かつては全国から武人が集まったと伝えられる御射山祭ですが、現在は一般的な神事になっています。次第も略式で、写真の「献饌」は瓶子の蓋を取るだけでした。最後に、司会の声「金幣…」とともに、宮司が社前の金幣を取り上げました。これは御射山祭での特別な“こと”だと考えましたが、…参列した祈祷者へのお祓いでした。輪の外にいる私の元まで「コロコロ」と軽やかな音が伝わってきました。
実は、神事前に、三々五々登ってきた祈祷者の家族か何組かいました。
神事と重なる時間帯なので待つしかないと見ていましたが、二才児を抱えた親に配慮したのでしょうか、「神事に参列する形」となりました。祈祷者にとっては予期せぬ出来事だと思いますが、諏訪大社の宮司自らの手でお祓いをしていただくチャンスを得たことになります。
上写真を御覧ください。左右の神職の表情は窺えませんが、心配そうに、または微笑ましそうに見ていることが伝わってくる(たまたまの)力作としましたが、…どうでしょうか。
夕祭は4時25分には終わり、穂屋の前で直会の献杯が行われました。因みに、緑の束がススキで、白いハッピ姿が古生会の皆さんです。
実は、去年のこともあり、「蚊対策」で電池式の蚊除けを持参しましたが、なぜか“宝の持ち腐れ”となりました。連日の猛暑で、蚊の活動が鈍っていたのでしょうか。