諏訪大社と諏訪神社トップ / 下社雑学メニュー /

摂社「若宮社」 18.4.1

 諏訪大社下社春宮の月次(つきなみ)祭が終了すると、神職の列は予想通り幣拝殿右にある若宮社に向かいました。「予想通り」とありますが、実は、今日ここへ来るまで、春宮の月次祭は主祭神のみの例祭だと思っていました。ところが、境内社である若宮社一社だけが御扉を開けていたので、年間祭事表には載っていませんでしたが、若宮社祭も同日行われると予想したわけです。

若宮社祭

諏訪大社春宮若宮社

 宮司が参拝した後、諏訪大社大総代一同と今年の(神社だからやはり)新入社員と思われる若い神職と巫女さんがそろって参拝しました。肌寒く陽に恵まれない境内ですが、巫女さんの緋袴が見た目に暖かく映えていました。
 社殿前の案内板を“念のため”に読むと、「若宮」となっているのに気が付きました。いつも「若」だけで後半部分を読み飛ばしていたので、上社前宮にある「若御子」と同じ名前と思っていました。ましてや、祀られている祭神の多さと難読です。一字一句読む人はまずいないでしょう。

 『諏訪神系図』では、祭神の建御名方命には二十二子神がおられたとあり、その中の「信濃の国の開拓に尽力があった十三神を若御子または若宮社としてお祀りしている」とありました。ここでその全柱の紹介をしようと思いましたが、神様の名前を表記するのは難題です。今では医学用語や歴史上の人名辞書がある時代ですが、付属の辞書では思うように変換できません。ネットで検索すると十三神の名前は簡単に見つかりましたが、苦労して入力したであろう先人に失礼と思われるので、コピー&ペーストすることは控えました。

諏訪大社春宮「若宮社」 錦で縁取りされた御簾(みす)が半分下がり、梶の神紋がデザインされた黒地に金糸の金襴が見えます。神饌は、右が魚、中央が酒・米・塩で左が野菜です。
 ドラマでもよく登場する、天皇の玉座前に下がっているスダレ状の「御簾」は固有名詞と思っていました。ところが、「簾」の丁寧語ではないかと思い浮かんだので調べてみました。簾は「簀(スダレ)」の同意語と分かり、「何だ、巻き寿司に使う巻簀(まきす)や日除けのスダレと同じではないか」と納得しました。庶民が高貴な人にはばかって、同じでは申し訳ない、と字を変えたのでしょうか。

簀巻

 ここで、いきなり大ヒットした春日八郎の「お富さん」を挙げても当惑するばかりと思われますが…。当時は、子供から年寄りまでの誰もが歌えたのが「大ヒット曲」でした。私も、意味がわからないまま「いきなくろべー、みこし(神輿)のまーつに─」と歌っていました。歌は廃れましたが、大人になってから、それが「粋な黒塀 見越しの松に 仇な姿の…」で、元(ネタ)が「お富さんと許されざる恋に落ちた与三郎が相手の男に簀巻にされた…」とわかり深く理解しました。

緋袴

 袴の色が、普通に思い浮かべる赤ではなく「緋・朱」であるのは、当時はベニバナの重ね染めしかなかったためでしょう。ただし、ベニバナ染めの婚礼衣装は山形の資料館で見たことはありますが、緋袴は自分の目で確認していませんから、断定はできません。