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浦諏訪神社 伊那市長谷 浦 24.12.16

諏訪社 村社(※旧浦村)
創立 元歴年間(1184〜1185)
祭神 建御名方命(※宇佐八幡社合祀)
例祭 10月10日

長谷村誌刊行委員会『長谷村誌』

伊那市長谷浦 住所が番地までわかっていても、居住地以外ではどこにあるのか見当もつきません。こんな時は、ネットで検索するのが一番です。キーワードを幾つか変える中で、二件だけですが、それぞれに社殿と鳥居の写真を見ることができました。添付の地図ではその場所をピンポイントで指していますが、鳥居の凡例は表示していません。

 神社の地図情報を提供しているサイトでは、電話帳(管理する宮司宅)の住所をそのまま地図に落としている場合があります。私は、何回か住宅地の中を「神社はどこだ」と探し回ったことがありますから、その確認は必須です。一般のネット地図では鳥居を表示しないので、地図閲覧サービス『ウッちず』を開きました。さすが国土地理院の1/25000図とあって、「浦」と卍鳥居を表示しました。しかし、そこまでの道中はかなりの難路と予想されました。

「平家の里」浦の諏訪神社へ

 三峰(みぶ)川を渡り、「平家の里 浦まで3km」の標識前で左折して、対向車の出現と滑りそうなカラマツの落ち葉に注意しながらクネクネの坂道を奥に向かいます。恐れていたトラックが現れましたが、クロネコヤマトさんは待避所で待っていてくれました。
 新旧の住民を含めても8戸ほどという、古屋や別荘が混在する浦の集落を過ぎると、すぐに、写真で見た鳥居が現れました。手前の広場は車の(すれ違い用の)待避所ですが、この先は集団移転で廃集落とわかっているので駐車場としました。

浦諏訪神社
白枠内が諏訪神社の社殿

 鳥居をくぐってやや下ると、鳥居に背を向けた格好で谷側に向いた社殿が現れました。地形による制約と思われますが、何か特殊な理由があるのかもしれません。何しろ、ここは落人伝説がある「平家の里」です。

浦諏訪神社 漆喰を塗った壁に、無数の穴が弾痕のように空いています。板壁の左右にある四角い穴は、小動物にこれ以上穴を空けられないように、苦肉の策として出入口用として設けたのかもしれません。
 手前に写っている板状のものは長尺の石造物で、それに続く部分は凹地になっています。近づくと、落ち葉の間から朽ちた木材が覗いています。谷側に棄てられた廃材から、ここにあった社殿の地上部だけをそのまま投棄したことが窺われます。

浦諏訪神社「本殿」 覆屋の窓は縦の格子なので、比較的自由に社殿内を撮ることができました。ここも、旧長谷村にある他の神社と同じように、大小様々な祠が安置してありました。
 中央が諏訪社であることは間違いありませんが、平家(平氏)の落人の守護神「宇佐八幡社」の社殿はどれなのかわかりません。境内には神号碑や石祠はまったくありませんから、明治初期の統廃合の時代では、浦ではすべてが木造の祠だったことが想像できます。

浦諏訪神社の御柱 事前の知識で「御柱があるはず」と探すと、社殿の右方にある大石と言うより、その先は崖という場所に電柱状の木が倒れています。約5mと目測したその先端を確認すると、四角錐状に削られていることから「御柱」と確認できました。
 平成9年出版『長谷村の中世』の〔御柱神事〕には「浦区は人口減少により、細い柱にせざるを得なくなったが、続けている」と書いてあったので、今回(平成22年)は御柱を建てることを断念したようです。
 「1mの御柱でもいいから“立”てて欲しかった」とは私の勝手な思(願)いですが、この先の諏訪神社はどうなるのか、とその行く末を案じながら浦の集落を後にしました。

浦分校跡

 切り通しになっている道の両側に石段があります。諏訪神社とは反対側の石段を上りきると、浦分校跡の端に立っていました。

浦分校跡 これも跡となる校庭を間にした山際にその記念碑が小さく見えます。ここから巣立ったわけではないので郷愁も感慨も湧きませんが、…ため息は出ました。
 村の鎮守と小学校が相向かうこの場所は、かつては子供の声が絶えなかったことが想像できますが、今や別荘を除くと浦の戸数は二、三というのが現状です。ただし、ここは今も林間学校として存在し、校庭として手入れがされているので廃校の暗いイメージはありません。
 『長谷村誌(自然編・現代社会編)』では、「浦村学校は、明治6年に長久寺を仮校舎に発足(児童数23人)→昭和9年(60人)→昭和38年→(12人)→昭和41年廃校」とありました。長久寺は隣にありますが、車は駐まっていてもひっそりとしているので声を掛けるのは止めました。

平家の里

 冒頭に出た「平家の里」でわかるように、浦には「平家の落人」伝説があります。諏訪神社とは関係ないので、別の機会に紹介することにしました。