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諏訪大社と活断層 1.6.28

諏訪の活断層

 6月22日に、諏訪市教育会館で伊藤文夫さんの講演「諸説 諏訪盆地の地形・温泉・御柱・文化財」がありました。“諸説あり”に惹かれて聴講した私は、話の中で紹介された藤森孝俊さんの学論「活断層からみたプルアパートベイズンとしての諏訪盆地の形成」に興味を持ちました。
 自宅に戻ってからネットでそのPDF文書をダウンロードしましたが、数字と専門用語の羅列に、概説を読んだだけで、いさぎよく終わりにしました。

 それとは別に、『地理院地図(電子国土Web)』の2万5千分1地形図には、〔情報〕の一つとして活断層図があります。諏訪大社上社前宮を表示させてからそれをクリックすると、下図のような地図に切り替わりました。試しに透過率を最小にしてみると、元の地形図が表れます。

諏訪大社前宮断層図 ご覧のように、断層図のベース地図が古いものとわかります。また、分割した地図の接合部では継ぎ接ぎが見られ、等高線もずれています。そのため、紙の地図に情報を手描きしたものをデジタル地図に重ね、透過率を変えることで両方を表示する仕組みと理解しました。
 両図には若干のズレがあるので、断層の場所を特定するには、この活断層図のほうが正確となります。

諏訪大社と断層

 上図ではわかりにくいので、アナログ的に書くと「トレーシングペーパーに断層面を写しとり、通常の地図に重ねた」ものを作ってみました。
断層図凡例 記号の凡例は、〔活断層図(都市圏活断層図)の内容(記号一覧)〕から必要なものだけを抜き書きしました。オリジナルは赤褐色ですが、主要地方道の色と紛らわしくなるので、透過率80%の茶色に変えました。なお、地図上では神社の場所がわかりにくいので、本殿などの主要建造物にを表記しました。

諏訪大社前宮

諏訪大社前宮周辺の断層図

 御室社のやや上部という場所から、諏訪湖の西岸へと続く(位置やや不明確な)断層があります。「そこが断層の始まりなのか」と眺めている中で、その断層崖に含まれるのが鶏冠社と気が付きました。
 そうなると、今は行方不明となった「要石(かなめいし)」の本来の由来が…。しかし、要石を有史以前に起きた地震や断層に結びつけるのは、私の性に合いません。「峯の湛(たたえ)近くから前宮公園の縁(狐塚古墳)を通る断層線」とだけ書いてみました。

諏訪大社本宮

諏訪大社本宮周辺の断層図

 本宮の“中枢部”を縦貫しています。これも、「本宮は断層上にある」というより、諏訪湖の水位との兼ね合いで、ここにしか造営する平地がなかったと考える方が正確でしょう。

諏訪大社春宮

諏訪大社春宮周辺の断層図

 国道下の急傾斜地から続く断層は、社務所と神楽殿の間を通過しています。浮島の成因が断層によるものとは思えませんが、二つのラインから何らかの関連がありそうです。

諏訪大社秋宮

諏訪大社秋宮周辺の断層図

 左の断層に向かって赤の矢印群があります。用語の説明には「活断層のうち、変位が軟らかい地層内で拡散し、地表には段差ではなくたわみとして現れたもの。たわみの範囲及び傾斜方向を示す」とあるので、犬射馬場跡の二箇所の標石が三分の二以上埋まっているのは、これが原因と考えてしまいました。

 「この地図を片手に歩いてみるのも楽しそう」とは、硫黄岳の噴火を考えなければ、八ヶ岳山麓に住む者の余裕でしょうか。