菅江真澄がスケッチした「石の雄元(おもと)」を見たことで、新潟県に鎮座する雁田(かりた)神社を知りました。
調べると、上越市を中心に四社あります。その中で、奉納品が見られる(拝観できる)三社を巡拝しました。
雁田神社は、斐太(ひだ)神社の境内社という位置付けでした。
式内社より、まずは雁田神社です。
その前に立てば、正面右手に“設置”してある「おさわり石」に目が行きます。木札からは「男石」が本来の名称と思われますが、「触っていいよ」との了解を表した名前を、「おさわり石」として前面に出したのでしょう。
しかし、「消毒液が備え付けられていない」と言うより何か気味の悪い形をしているので、目で摩(さす)るだけとしました。
左右(写真は右)の壁に、ガラスケースに収まった「これが雁田神社だ!!」というモノがあります。それに目を近づければ、ここにあるからこそ「そのような石」に見えますが、路傍にあれば誰も見向きもしない姿形です。もっとも、これくらいのリアルさが好ましく、それ以上ともなれば見る方が恥ずかしくなります。
左端の石が、「おさわり石」に酷似しています。「二重構造の卵石」というか、「厚い外殻が一部を残して剥がれ、中の丸石が露出した」という割れ方をする石が、この近在にあるのかもしれません。
雁田神社に参拝というより奉納品見たさにここへ来たわけですが、それらは、思う人の目に留まり、それに切実な願いを託して奉納されたものです。しかし、現代医療の中で暮らす私は興味本位で眺めてしまいました。
〔御由緒〕にある前半部分「この雁田神社は二千有余年前より祀られている全国でも古い神社です」は(どう考えても)削除すべきと考えますが、一も二も左右の壁に陳(珍)列されたモノが売りの神社ですから、「これ」を読んで反応する人は皆無でしょう。
式内社の斐太神社ですが、今回も写真のみとしました。