外御玉戸社の右横に続く小路に、火の見櫓がある遊園地があります。その右端は道祖神ですから、左端の八坂社と八幡社とともに、古くから地区の拠り所となっている空間ということでしょう。
諏訪大社下社の春の遷座祭に先立って、内御玉戸社祭と外御玉戸社祭が行われます。そのついでに(と書くと地元武居地区の方にお叱りを受けそうですが)、八坂社の例祭が行われます。
当日の神職は遷座祭の準備で忙しいはずですから、別日としたほうが合理的とも思ってしまいます。しかし、厳冬期の神事ですから、「改めて」より「一気に」済ませたほうが、と双方の思惑が一致したのでしょう(か)。
外御玉戸社と違い祭主は武居区ですから、神饌は区が用意します。その準備にやや手間取っているのは、役員が毎年替わることにあると思われます。
忙しく動き回る役員をただ眺めている私ですから、神饌を案(机)にセットする際に、昆布が一枚落ちたのを目撃してしまいました。どうするのかと見ていたら、神職が直ぐ後ろに控えているというのに、そのまま拾って三方に載せてしまいました。しかし、ティッシュで拭くのもおかしなものですから、そのまま素早く戻すしかないと、彼の“処置”を肯定しました。
何れにしても、武居区の神事に諏訪大社の神職が出張して神事を行う形式ですから、多少の手違いがあっても神職は苦笑いするしかないでしょう。
9時40分を過ぎるとその慌ただしさも静まり、待つ身には辛かった例祭が始まりました。
一般的な神事なので、特筆するようなことはありません。それでも、翌朝の新聞記事になりますが、「八坂社の祭神『八坂彦命』は、諏訪大社下社祭神の一柱である『八坂刀売命』の父にあたるので、その縁で同日に行われる」とありました。