前宮の本殿近くに「小町屋の中小路」の案内板があります。何回か目を通しましたが、その内容に惹かれることはありませんでした。落ち葉が目立つ11月の中旬、毎回の車道歩きに変化を求めて社務所前の絵地図を参考にその中小路を歩いてみました。
本殿前から分流している水眼(すいが)川に沿った狭い道に入ります。並行している現在の一般参詣路(車道)と同じ地形とあって、結構傾斜があります。前を通るのがはばかれるような一般住宅を過ぎると、生け垣から庭を介して程良く距離を置いた別荘とも無住ともとれるやや荒れた家があります。カーテンや雨戸で閉ざされている理由は分かりませんが、社家の末裔と勝手に想像して、この道の気分を盛り上げました。
「こんな所があったのか」とうれしくなるような小路ですが、柏手社(かしわでしゃ)を過ぎると、せせらぎと風神の呼吸に耳を澄ませた余韻を残す間もなく、社務所前を通る大道に飛び出ました。わずか百メートル余の中小路の旅でした。
上記は「安国寺史友会」の案内板です。この会作成の案内板は前宮周辺には多くあり、この地を訪れる人にはよいガイド役となっています。
左は、平成19年8月26日の中小路です。柏手社へ向かう神職を下方から撮ってみました。電柱が目障りですが、景観の邪魔だから撤去、というわけにはいきません。これが現代の中小路、としました。