郷土出版社刊『目で見る諏訪の100年』の中に、大正初期という本宮前「南参道」の写真を見つけました。当時の景観がよくわかるので、出版社の許可を得て、コピーしたものを載せました。
人力車の前は旅館でしょうか。二階には顔が並び、通りを見下ろしているように見えます。最奥の鳥居の右手には「きよめ茶屋」の屋根らしきものもあります。
手元にあった最近の写真と見比べると、その中に、屋根の妻部分の梁が似ている建物があることに気が付きました。
比較できるように、同じような構図で撮ってみました。リサイズして、ほぼ定点撮影らしく出来上がったのがこの写真です。
「雑貨・喫茶」とある、今でも使われている「桔梗屋」の屋号がある建物をよく見ると、道に面した屋根を貫いている松が見えます。建造物の新旧もありますが、一番の歴史はその松の高さと幹の太さでしょうか。
平成20年。雑貨・喫茶「桔梗屋」も、今はたたんで空家になっています。『中洲村史』に、「諏訪上社門前町にある旅館茶屋の中で、桔梗屋は公事の会合や宿舎に利用された」とありました。