国常立命社の立地を確認するために、下社の御射山に出向きました。
放生池を過ぎてから右折し、記憶にある道を進みます。登り詰めたT字路を左に取ると国常立命社が現れました。7年ぶりの再訪となりました。
前方の左側は明るく開けた低地で、その左が御射山社の背後に当たる山と思われます。ただし、展望が利かないので、「山中の社(やしろ)」としか説明できずに終わりました。
今回は、国常立命社の場所を地図に載せるのが目的でした。御射山社と国常立命社の前でスマホ(Googleマップ)に現在地を表示させたのが下図です。
これは便利な機能ですが、内蔵のGPSは、樹下では誤差が「数mから数十m」と言われています。「弱い精度」を表示している通り、頭上を仰ぐと社地の分だけポッカリと空が見えますが、高木の下という環境です。精度は期待できません。
今回は祠の向きも調べるということで、スマホを祠の側面に沿わせ、コンパスの表示値「御射山社/36度5分38秒・138度6分41秒/45度」「国常立命社/36度5分32秒/138度6分43秒/70度50分」を記録しました。
コンパスの緯度経度もGPS由来なので、誤差があります。『地理院地図(電子国土Web)』てはどう表示するのかと、緯度経度で御射山社の位置を検索してみました。その結果、座標(┼)は鳥居の凡例に接しているので、「まーまー」という結果になりました。
次に、多くの設定ができる『地理院地図 Vector』に切り替え、名称等を記入したのが上図です。
次に、〔地図や写真を追加〕を使い、「航空レーザ測量の点検用等に2004年以降に撮影された空中写真」とある〔簡易空中写真(2004年〜)〕を重ねてみました。
地図には表示しない「放生池」と歩道が確認できますが、社殿などの建造物が見えないので、ただの山林となりました。
これでは「?」なので、〔標準地図〕を最上面に変更すると、放生池と御射山社の位置関係がわかります。
[−−]で表示する道が気になるので国土地理院のサイトで調べると、「徒歩道(とほどう)」で「道路の幅が1.5メートル未満の道路を記号化した記号道路であらわし、次のいずれかにあてはまるものです」とあります。ここでは「1.登山、観光、レクリエーションなどのためによく利用される道路」に当てはまりそうです。
空中写真では裸地を横切り休憩所へ向かう歩道がハッキリと確認できますが、伐採用の(よく利用されない)道なので、凡例外として記載なしということでしょう。
元に戻って、現地で「御休所」とあった建造物と国常立命社の座標(緯度経度)を加えてみました。くり返しになりますが、誤差は「数mから数十m」あります。
ここで気になるのが、○の構造物です。現地へは3回訪れていますが、この場所には何もありません。また、この地図に放生池が存在しないのは、大幅な水位の増減があるので池として認定されていないのでしょう。因みに、現在の水位は半分です。
正確さは求められませんが、Googleマップの現在位置情報を『下社秋宮の神体山は鷲ヶ峰』で用いた左図に反映させました。社殿の方位角は、国常立命社/70度50分(70.83度)・御射山社/45度です。
これで「御射山社は鷲ヶ峰・国常立命社は旧御射山社を背後にする」という図式が成り立ちます。ただし、「国常立命社は尾根筋に・御射山社は等高線に直行して造営した」だけという可能性もあります。