「御頭受」を手許にある本で調べましたが、詳細がわかりません。字の通り「御頭郷を謹んで受けます」という、神前での「正式表明」といったところでしょうか。
平成21年の御頭郷である「旧岡谷市」の関係者が、宮司の祝詞奏上を見守っています。上社では見かけない「下社」のハッピが、諏訪湖の反対側から来ていることを現しています。今日は、人数から見ると、御頭郷以外の諏訪大社大総代は出席していないようです。
代表3名が昇壇して玉串を捧げました。背中の神紋が、下社の「明神梶」であることに気が付いたでしょうか。岡谷市は、諏訪大社でも“下社圏”に入るので、ハッピに下社の神紋を採用しています。
御頭郷の最大の奉仕は、下社の「お舟祭り」です。去年も“荒れた”ので、無事運営できるように祈ったのかもしれません。
私には寒さが堪(こた)えただけの、簡素な神事でした。
『諏訪市史』などには、「1月3日、親郷の村役が大祝や神長官などに酒肴を持って挨拶に行く」「4日、藩の役人へ挨拶(付け届けはしない定めがある)」「5日、枝郷の村役が親郷と同じように大祝や神長官に贈物を届ける」と、江戸時代の様子を書いています。現在は大祝や神長官が“不在”なので、諏訪大社本宮の神前に挨拶に行くということでしょう。