日射しを避けて、彼岸花が咲いている公園内の小道を選びました。蛇行しているので距離は伸びますが、「汗をかくよりはいいか」としました。
公園の一画でもその端とあって、天津司神社は道路と民家に囲まれた小さな神社でした。左端の道路に覆い被さったような木は「甲府市の保存木指定」で、「枯れ木の落下に注意」とありました。かつては社叢を構成していた大木の一つですが、それでも、社前の神木と共に境内に大きく日陰を作っています。
社殿配置では本殿ですが、厚い鉄板の扉からは「耐火金庫造り」とも言えそうな造りです。扉には、「九曜紋」が大きくあしらわれていました。
境内には「天津司舞」の案内板はありますが、天津司神社の縁起はありません。そのため、確定はできませんが、「本殿は人形の収蔵庫で、その人形を祭神としている」としました。
天津司神社本殿の全景です。本殿の大棟に、拝殿と同じ神紋「九曜紋」が見えます。「黒丸の周りに小さな黒丸が9個並んでいる」と言えばわかるでしょうか。この「9」は、人形9体を象徴しているそうです。
拝殿の壁に「天津司神社神庫建設寄附者名」があるのに気が付きました。「2002年11月」から、本殿ではなく、人形を保管する「神庫」と確信しました。何しろ「国指定の重要無形民俗文化財」です。
本殿の左に廻ると境内社があります。その横に上が欠けた石碑があるので読んでみました。何と「鈴宮大明神・諏訪大明神」です。ここは天津司神社で、先ほど参拝したのが「鈴宮・諏訪神社」ですから「なぜここに」です。
裏から観察すると、後部の出っ張った形から、額束と一体化した鳥居額とわかりました。鈴宮・諏訪神社の鳥居が新しかったので、「鳥居を更新した際にここに安置した」という流れは想像できますが…。「なぜ天津司神社に運んだのか」釈然としないまま、次の上町諏訪神社に向かいました。
〔天津司舞について〕 鈴宮神社と天津司神社の例祭「天津司舞」は、以下のリンクで紹介しています。