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よみがえった銀桜 原村柳沢

 新聞に各地の桜情報が載る中、「原村指定天然記念物〈銀桜〉が強風で折れて樹勢が衰えたため、二十五年ほど前に清水俊勇さんが柳沢公民館の広場に接ぎ木して植えた」という記事を読みました。

 その公民館に行くと、広場の周囲に植えられたピンクの桜は三分咲きです。提灯もセットされ、柳沢区民が浮かれるのも間近でしょう。そのことはともかく、一本一本確認してもそれらしきモノはありません。色の違いだけが判断材料ですから、取りあえずは引き揚げるしかありません。

 一週間後、三日前の満開が地面に移動したかのような花びらを踏みしめて一周りしました。諦めかけた頃、「こんなところに」という物置小屋の前に見つけました。風の当たらない下枝だけに数輪咲いています。高さは7メートルほどでしょうか。

「初めて会った君」 '05.5.3

 さらに三日後。遠くから眺めると、一般の桜と違い地味な感じを受けます。

銀桜

銀桜 しかし、目前で見ると、その品の良い白さが際立ちます。白より白い「真綿色したシクラメン」に負けず劣らずの「銀桜」は、私には「初めて会った君」でした。

 花びらの向きで陰影が微妙に出るので、全体として銀色に見えたのでしょう。原村では「雅な薄墨」でなく「銀」と呼んだのは、開拓村の厳しい生活基盤の差でしょうか。

再会「よみがえった銀桜」

開花宣言 '21.4.26

銀桜 ソメイヨシノが満開という一週間前は、ふくらんだ蕾でした。「そろそろ咲…」と期待し、順光を狙って11時前に訪れると、枝先に二三輪開花したものが幾つか見えます。その役割は私ではありませんが、ここに「銀桜開花」を宣言しました。

銀桜 しかし、16年ぶりの再会です。何が起こったのかはわかりませんが、二股の片方は枯れ、腰が曲がった姿になっていました。


八分咲き '21.4.30

銀桜 あくまで個人の判断で、その定義も知りませんが「八分咲き」としました。
 ここまでに霜注意報が何回か出ましたが、それが無かったような咲きっぷりです。ただし、その先入観からか、花弁にハリがないように見えました。